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患者家族へのケアもわすれずに

緩和ケアが対象とするのは患者さんだけではありません。患者さんのご家族も大切な存在です。患者さんの病気は、家族にも大きな影響を与えます。そこで、看護師としては患者さんだけでなく、ご家族とも協力しながらケアを進めていくことが重要です。まず、家族の感情に寄り添うことが大切です。家族は、患者さんの病気に対してさまざまな感情を抱きます。これらの感情を理解し、受け止めることで、家族は心の負担を軽くすることができるのです。そのためには、家族の話をじっくりと聞き、信頼関係を築くことが大切です。また、情報提供も欠かせません。家族は患者さんの状態や治療の進行について、常に気にかけています。しかし、医療の専門用語が多くてよく分からないことも多いでしょう。看護師は、わかりやすい言葉で説明することを心掛け、家族が状況を理解できるようにサポートします。
さらに、家族がケアに参加する機会を提供することも大切です。例えば、患者さんの体調管理や日常のサポートを一緒に行うことで、家族は自分が役立っていると感じることができます。また、ケアの方法を教えることで、家庭でも安心してケアを続けることができます。こうした活動を通じて、家族と患者さんの絆も深まります。最後に、家族のケアにも注力することが求められます。病気の進行に伴い、家族も心理的なストレスや体力的な負担が増えます。定期的に家族の様子を確認し、困っていることや心配なことがあれば相談に乗ることが大切です。家族のケアが十分であれば、患者さんも安心して治療に専念できるでしょう。